新築1号物語
ホームケアの新築第1号は藤枝市志太のK邸。 以前、リフォーム工事をさせていただいた藤枝市瀬古のMさんのご実家である。平成16年夏、25年前に建てられたMさんの実家が、エアコンの漏電により全焼してしまった。 忘れもしない、8月7日、蓮華寺の花火大会の日だったとMさんは振り返る。
Mさんから「実家が火事で焼けてしまった。」と連絡が入り、驚いたホームケアの男性社員達が 駆けつけた。
現場は独特の臭気。全焼といっても、柱や屋根等、一部は残っていた。そしてまた、Mさんがお母様にたった ひとつプレゼントした箪笥一竿だけが、火災を免れたという。その箪笥には 重要書類が入っていた為、何の被害も受けずにあったのは奇跡的なことであった。重要書類が直ぐに取り 出せたため、その後の手続きがスムーズにいった。
その日は台風も近づいていた。ご近所を更に不安にさせてしまっていたのがよくわかる。 漏電とはいえ、失火でご近所へ迷惑をかけたうえ、この台風で、更に、迷惑はかけられないとの Kさんの思いが伝わって来た。二次的な被害を出さないように、力になりたい。その想いで 廣井と矢田が、雨の中、屋根へ上がり、瓦やガラスの破片を撤去、それらが、強風で舞い散らない ように処置をする。
K邸はお母様とMさんのお兄さん、弟さんの3人家族。その日から、住む所を失ったご家族は新しい家ができるまで、Mさんの家での同居となった。志太と瀬古は隣町、「距離が近かったことが、どんなに有り難かったことか・・・」とMさんは言う。全てを失い、人様の優しさだけが嬉しかったとその時の話をされるたび、涙ぐむMさん。
一瞬にして、二度と住むことの出来なくなった家。このことは、、新たに家を造っていかなければならないという始まりでもあった。一度は転居も考えたが、ご家族で十分話し合った末、今までの場所へ新築をする事に決めた。新築を請けていないホームケアとしては、力になれることは精一杯させていただこう!社内で話していた。
そんな折り、MさんとKさん、総勢4名で、台風の中でのホームケアの協力に、大変感謝をして下さりお礼に見えた。当たり前のことをしただけでしたのに、こころ温まる言葉に恐縮してしまった。そんな熱意をかって下さり「ぜひ、ホームケアさんで、新築をお願いしたい」と申し出て下さった。代表の廣井は父親が大工で、父と一緒に300棟あまりの、新築経験はあるが、ホームケアを立ち上げてからは、リフォーム専門でやってきた。その事を理解しての依頼であった。
これほどまでに、信頼と期待をされた事に、廣井の心は動いた、何とかお役に立ちたい!との思いで、お引き受けすることにした。請ける以上は全力で臨む!廣井は決意した。と同時に社員全員の気持ちでもあった。許可が出るのを待って、いよいよ新築へと進んでいった。今まで、2階屋だったが、今度は平屋にしたい!とおっしゃるKさん。生活時間がまちまちのご家族なので、玄関からそのまま、自分の個室へ行けるようにしたい。廊下は欠かせない。限られたスペースの中で、最高の間取り、使い勝手を探り、十分に話し合う。納得できる図面に至るまでに、なんと30数枚の図面を描いた。


失火から4ヶ月後の12月4日、ようやく地鎮祭を迎えることができた。建物はスピード・強度を考え2×4工法とした。担当は矢田、毎日現場へ向かい、職人との連携プレーで、細かいことも見逃さずチェック。「熱心にやってくれる、真面目な矢田さん。」と次第に、矢田への信頼も深まっていった。生活し易い家、なお且つ、強くて丈夫な家の完成を目指して、社員一丸となって取り組む。各自の個室を優先したため、収納スペースが少ない。そこで、屋根裏にそのスペースをとる。なんと、14畳ほどの収納場所が確保できた。荷物だけでなく、部屋としても活用できそうで満足してもらうことが出来た。
年が替わり、2月25日、待ちに待った入居の日を迎えた。普段、一人で留守番が多いお母さんが、特に生活し易くなるよう提案しただけに「本当に良く考えられていて、気持ち良く生活できます。」とおっしゃっていただいた時は、心から嬉しさが込み上げてきた。入居後、外構工事も終わり、工事は完了。


この2月で、入居から1年が過ぎる。 例年にない寒さの中で、電気暖房を使う事も多く、それぞれの部屋のテレビは勿論、今までよりも、電化製品を多く揃えたので、、以前より光熱費が多くなるだろうと覚悟はしていたが、その反対、なんと、光熱費がかなり安くなったのだとおっしゃる。「省エネで建ててくれたんですねえ。」と実感されたご様子。「毎日、快適に過ごさせてもらっています。」と控えめにおっしゃるお母様。
新築に至った経緯を思うと、快適な生活になっても、声を大にして「快適!快適!」と言えないのも辛いとおっしゃる。そこまで、周りの方々へ配慮されるのですね。そんな、生きる姿勢に私たちも沢山のことを学ばせていただきました。
7ヶ月間、お二人暮らしだったMさんの家は突然、大人5人暮らしとなった。親子、兄弟とはいえ近くで生活すれば、それなりに、大変なこともあったと言います。そこを、乗り切って来られたのはMさんのご主人のお人柄によるところが大きかったとMさんは話して下さいました。「Tさんは本当にいい人、心から感謝している。」とおっしゃる姿に、25年の歳月をかけた、夫婦の強い絆を思わずにはいられませんでした。今回のことで、兄弟、家族の繋がりも、一層深まったともおっしゃいます。また、Mさんご夫婦が子供同然に可愛がっていた愛犬、チコちゃんが17年という天寿を全う、5人のご家族に見守られながらの最期だったということです。「可愛がってくれた家族皆に見守れられて、チコちゃんもきっと幸せだったと思う。」とおっしゃっていました。
Mさんより戴いたことばの中で、大変嬉しい言葉があります。それは、「記念すべき、ホームケアの、新築第1号にさせていただいてありがとう。」とおっしゃっていただいたことです。今、振り返りますと、至らなかったことも多かったのではないかと思いますが、温かく応援して下さり、本当にありがとうございました。これからも、日々、勉強に励み、皆様のお役に立つ会社に成長していきたいと思います。
<ホームケアがあって良かった、本当にありがとう>の声を、たくさんいただけるように社員一丸となって頑張っていきます。これからも、末永いお付き合いを、どうぞ宜しくお願い致します。
ホームケア 山田和子(平成17年2月)




